「痛み」と愛

flowers

張笑媚の証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

張笑媚(チョウ・ショウビ)さんは香港で育ち、9歳でキリスト教信仰に触れ、イギリス移住後も教会に通い、18歳で洗礼を受けました。若い頃、愛情に突き動かされて19歳で結婚。父親の反対を押し切り、学業を犠牲にしてまで愛を選びましたが、今振り返ると、神の御心を求めず、自分の感情だけで決断したことを素直に認めています。

結婚後は夫と共にテイクアウト店を経営し、三人の子供を育てましたが、夫はギャンブルに溺れ、家計は困窮、破産に追い込まれました。借金取りの対応や子育てを一人で担い、精神的にも追い詰められました。それでも愛の力を信じ、夫の更生を願い、家庭を守ろうと努力しました。

1993年、一家でイギリス・ブリクスハムに移住し、再出発を図りましたが、夫は変わらずギャンブルと浮気を繰り返し、ついに不倫が発覚。長年の献身が裏切りと痛みに変わり、「愛してくれない人を愛するのは本当に苦しい」と語ります。

夫が去った後も、笑媚さんは家庭と事業を一人で支え、精神的に限界を感じていました。教会からも離れていましたが、夫の不倫を機に妹の勧めでニュージーランドに渡り、クリスチャンの家族と3ヶ月過ごし、教会生活を再体験。そこで平安と慰めを得て、離婚を決意。家族や教会の助けを受け、2017年に無事に事業の権利を得ました。

離婚後は教会活動に積極的に参加し、人生の答えを信仰の中に求めました。ある時、牧師の説教で「イエスだけが無条件であなたを愛している。たとえ世界にあなただけしかいなくても、イエスはあなたのために十字架にかかる」と聞き、涙が止まりませんでした。主の愛の深さを実感し、真の愛を知りました。

信仰によって新たな力を得た笑媚さんは、すべてを神に委ねることを学びました。事業売却や新居購入も神の導きと恵みであり、神が常に共にいてくださることを確信しています。

現在は教会で奉仕し、高齢者を訪問し、福音を分かち合っています。毎朝聖書を読み、自身の経験を通して神の愛と変化を証ししています。過去の痛みを乗り越え、主イエスの無条件の愛の中で平安と喜び、新しい人生を歩んでいます。

  • URLをコピーしました!
目次