あなたの導きがある

曾緯洪の証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

曾緯洪(Tsang Wai Hung)さんは、香港の大学で学者として働き、自信に満ちていましたが、母親の病気をきっかけに「自分で解決できないことがある」と気づきました。家族と共にニュージーランドへ移住し、人生の予測不可能さと神の導きを深く体験しました。

30年前、家族でニュージーランドに移住し、永住権を取得した後、香港で大学に進学。卒業後は香港でキャリアを築き、結婚・子育てと順調な生活を送っていました。長女が小学5年生になった時、家族でニュージーランドへの移住を決意。移民手続きは簡単に見えましたが、コロナ禍で国境が封鎖され、ビザ申請は困難を極めました。申請後わずか2週間で承認され、3ヶ月以内に入国しなければならず、計画は大きく狂いました。これは神の導きであり、信仰と委ねることを学ぶ機会となりました。

移住後の生活は簡単ではありませんでした。交通の不便さや買い物のための長距離運転、娯楽の少なさなどがありましたが、神は香港での生活環境を通して事前に備えてくださっていました。妻は仕事のため一時的に香港に残り、曾緯洪さんは一人で家族を支え、料理や買い物、運転などに挑戦しました。コロナ禍で香港の学校がオンライン授業となり、妻もニュージーランドで教えることができ、ゆっくり新生活に慣れる時間が与えられました。困難に直面するたびに神に祈り、虹や賛美歌、聖句などを通して慰めを受け、「一日の苦労は一日で十分」という神の言葉に励まされました。

家の購入も神の導きを感じる出来事でした。政策変更で父親だけが購入資格を持ち、最終的に無事に取引が完了。入国翌日には移民局から申請承認の通知が届き、安心して娘の学校手続きを進めることができました。教会の兄弟姉妹も生活の支えとなり、様々な場面で助けてくれる存在でした。

仕事探しも大きな課題でした。何度も申請しても断られ、落ち込むこともありましたが、小グループの兄弟姉妹が祈りと支援を続けてくれました。経済的な困難があるたびに親戚が助けてくれ、神が必要を満たしてくださることを実感しました。

母親の死は信仰の転機となりました。娘の誕生後、母親が香港に戻り世話をしてくれましたが、脳腫瘍が見つかり、病室で信仰を持ち、安らかに旅立ちました。この出来事で人生のコントロールができないことを悟り、信仰を見直し、教会奉仕に積極的に参加するようになりました。

新しい環境で、曾緯洪さんは人生の主権を神に委ね、どんな困難にも神に頼ることを選びました。娘も日々聖書アプリで聖句を受け取り、神の臨在と慰めを感じています。不安定な状況の中でも、神が頼りとなり、家族は移民の道で多くの恵みと導きを経験しました。

この物語は、人生の浮き沈みの中で委ねることで、神が一歩一歩導き、平安と力を与えてくださることを証ししています。

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