沈培群の信仰証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
沈培群(Albert)さんは、かつて香港で成功したビジネスマンでした。十代で教会に通い始めたものの、長年にわたり信仰に対して懐疑的で、神の存在を本当に信じることができませんでした。多くの教会活動に参加しても心は満たされず、ある日、謙虚な気持ちで神に「本当にいるなら教えてください」と祈った時、聖書の言葉に心を打たれ、神の存在を実感し、信仰を持つようになりました。
社会に出てからはビジネスで成功し、会社の責任者となりましたが、クリスチャンとしての原則を守り、賄賂やリベートを断り、信仰を貫きました。その姿勢は周囲からも尊敬され、神の祝福を実感しました。
事業が順調になるにつれ、人生の意味を見つめ直すようになり、友人からの手紙で「神を第一にしていない」と気づかされ、人生の優先順位を見直しました。
ニュージーランドに移住後は、新しい生活の中で多くの困難に直面しました。香港のビジネスと家庭を両立させるために奔走し、妻に家事と五人の子どもの世話を任せることになり、夫婦間にも衝突が生じました。しかし神はこの経験を通してAlbertさんの性格を磨き、自己中心的な生き方から家族を大切にする夫・父親へと変えてくださいました。
この時期は人生で最も苦しい時期でしたが、神の導きで心の持ち方を変え、積極的に子どもたちと過ごし、家族との時間を楽しむようになりました。こうして「もう一人の自分」を見つけることができたのです。
信仰の道では、聖書を学び、神学校にも進学。オークランドの夜市で福音ブースに参加し、最初は恥ずかしさから口を開けませんでしたが、祈りを通して神の助けを経験し、勇気を持って福音を伝えるようになりました。その熱意で福音ブースは一つの地域から五つの地域に広がり、多くの教会の兄弟姉妹と共に活動しています。
Albertさんは「人生は日曜日だけでなく、毎日、どんな場面でも信仰を守ることが大切」と語り、事業や成功を追い求める人から、神に仕え福音を伝える人へと変えられました。「あなたと心を一つにし、すべてを損失と見なし、恵みによって霊のバランスを保ちたい」――これこそが、彼が見つけた「もう一人の自分」の真実の姿です。
