羅勇奇の証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
羅勇奇（ロー・ヨンチー）さんは中国で生まれ育ち、家庭は裕福ではなく、母親はギャンブル好きで家庭の雰囲気も緊張していました。幼い頃から地面やソファで寝ることが当たり前で、安定した生活とは言えませんでした。中学卒業後、江門で高校に進学し、銀行で働きましたが、心の奥底では中国での生活を望んでいました。しかし、母親の「中国では結婚できないかもしれない」という一言に揺れ動き、最終的に南米へ渡る決断をしました。
南米に到着した勇奇さんは、レストランで働き始め、毎日早朝から深夜まで働く厳しい生活を送りました。借金を返済した後、自分のビジネスを始めましたが、経験不足で何度も失敗しました。親戚の紹介で妻と出会い、交際・結婚し、生活は安定し始めました。しかし、結婚後は現実の重圧が次々と押し寄せ、仕事、家庭、夫婦関係、育児などの問題に苦しみました。勇奇さんは「男らしさ」を重視し、家族や妻の気持ちを顧みず、夫婦関係は冷え込み、離婚を考えるまでになりました。
そんな低迷期に、勇奇さんはギャンブルにのめり込み、違法な宝くじに数千元も費やすようになりました。時には当選することもありましたが、最終的にはビジネスと家庭の安定を失いました。妻は心を痛めながらも止めることができませんでした。勇奇さんは自分が泥沼に陥っていることを自覚し、苦しみの中で、カジノのトイレで天に向かって「助けてほしい」と叫びました。当時は神を知らなかったものの、神は彼の叫びを聞き、彼の人生に働き始めました。
2011年、妻の誘いで教会の集会に参加しました。最初は抵抗がありましたが、集会で温かさと平安を感じ、教会の兄弟姉妹の挨拶を通して愛が心に染み渡りました。勇奇さんは信仰に触れ、教会生活に参加し、神の導きでギャンブルを断ち切ることができました。誘惑は絶えませんでしたが、神の助けで徐々にギャンブルから離れ、人生が変わり始めました。
信仰を持った後、夫婦関係は大きく改善し、尊重と愛情が増し、喧嘩の後は自ら謝るようになり、家庭は和やかになりました。ビジネスは依然として順調ではなく、強盗や経済的困難にも遭いましたが、勇奇さんはすべてを神に委ね、信仰で生活の困難に立ち向かいました。コロナ禍や健康問題で絶望し、神の存在を疑ったこともありましたが、礼拝で「最も必要な時、あなたを抱きしめている」というメッセージに心を打たれ、神が常にそばにいて平安と希望を与えてくれていることを再確認しました。
勇奇さんは病気、経済的困難、家庭の危機を経験しましたが、どの低迷期も神の誠実さと恵みを証ししています。執着を手放し、神に人生を委ねることを学びました。物質的には乏しく見えるかもしれませんが、神の中で心は豊かで、平安と喜びを味わっています。勇奇さんの物語は「信仰の賭け」——神を信じることで、人生と家庭に変化と幸せをもたらした証しです。
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