愛を広げる

カレン・ツァイの証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

カレン・ツァイ(蔡嘉慧)さんは香港生まれの女性で、大家族の長女として育ちました。高校時代にオーストラリアへ留学し、大学でマレーシア華僑のKCさんと出会いました。卒業後は香港で6年間働き、上場企業のCEOも務めましたが、1996年に愛のためにマレーシアへ嫁ぎ、全く異なる人生が始まりました。

マレーシアでは生活習慣や文化、言語の違いに苦しみ、収入も大幅に減少。社会に溶け込むために努力し、仕事を通じて人脈を築きました。2002年に娘が生まれ、仕事を辞めて家庭に専念するようになり、孤独や不安を感じるようになりました。移民政策の不安定さもあり、結婚が唯一の保障となり、「もし夫が自分を愛さなくなったら、全てを失うのでは」と危機感を抱きました。

そんな中、香港に帰省した際、旧友と信仰について語り合い、教会に誘われました。牧師の「神は決してあなたを見捨てない」という言葉に心を打たれ、神の愛を感じて涙が溢れ、心が解放されました。イエス・キリストを救い主として受け入れ、空虚だった心が神の愛で満たされ、安心感と力を得ました。娘も祈りを通して失くした物を見つけ、母娘で信仰の現実を体験しました。

信仰を持った後、カレンさんの人生には喜びと信頼が溢れ、あらゆる場面で神に頼るようになりました。教会で奉仕し、グループを導き、謙虚さと寛容さを学びました。困難に直面した時はまず祈り、神に委ねることで奇跡的な導きと備えを経験しました。以前は自分に頼って不安でしたが、今は神に頼ることで自信と平安を得ています。

2016年、カレンさんとKCさんはパン屋を始めましたが、最初は失敗し、閉店の危機に直面しました。それでも諦めず、店舗を移転し、分店を開設して努力を続けました。事業が軌道に乗ると、資源を活用して他者を祝福し、パンを寄付する活動を始めました。特にコロナ禍では毎日パンやケーキを作り、医療従事者や困難な家庭に届け、3ヶ月で1万2千個以上を寄付しました。神に祝福されたからこそ、他者を祝福し、愛を広げることができると信じています。

パン屋の経営だけでなく、地域社会や医療従事者への支援にも積極的に取り組み、信仰がより積極的な社会貢献につながっています。信仰を持つ前は「善行には報いがある」と考えていましたが、今はイエスの愛が無条件であることを理解し、善行は社会への祝福のためだと考えています。自分が感じた愛を多くの人に伝え、神の愛がコミュニティに広がることを願っています。

カレンさんの物語は、神の誠実さと愛を証しし、孤独や困難の中で力を得て、行動によって愛を広げ、より多くの人を祝福する姿を描いています。

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