ミハエル・ワンの証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
ミハエル・ワン(Michal Wang)さんは中国出身で、北京で貿易英語を学び、仕事のためにポーランド・ワルシャワへ移住しました。異国での生活は困難でしたが、若さと勇気で新しい世界に挑戦しました。四年後、ポーランドに残ることを決意し、貿易会社を設立。2000年、同じく中国から派遣されたエイミー(Amy)さんと出会い、誠実さと優しさに惹かれて結婚し、すぐに双子の子供を授かりました。
初めての育児は予想以上に困難で、娘のサラ(Sarah)は幼い頃から異常な行動を示し、二歳を過ぎても言葉を話せず、危険にも気づきませんでした。何度も医師に相談し、最終的に自閉症と診断されました。この知らせはミハエル夫妻にとって衝撃で、深い無力感と恥ずかしさに苛まれました。様々な治療を試みても効果はなく、サラの激しい情緒不安定に家族は崩壊寸前まで追い込まれました。
絶望の中、教会の兄弟姉妹が訪問し、祈りと慰めをもたらしました。エイミーさんは先に信仰を持ち、ミハエルさんも教会の誠実な関わりに心を動かされ、聖書を学び始めました。ある夜、『游子音』を読んでいると、突然「私は信じる!イエス・キリストを信じる!」と叫び、人生が大きく変わりました。
信仰による最大の変化は、受け入れと委ねることを学んだことです。以前は娘を特別支援学校に通わせることを拒み、世間の目や自尊心を気にしていましたが、信仰を通じて本当の謙遜と受容を理解し、サラに適切な教育を受けさせることができました。サラは今も特別なケアが必要ですが、ミハエル夫妻はすべてを神に委ね、忍耐と愛で娘を支えています。
信仰は夫婦関係にも大きな変化をもたらしました。育児のストレスで何度も衝突し、離婚を考えたこともありましたが、信仰を持ってからは祈りによって冷静になり、互いの立場を理解し、包容と対話を重ねて関係が改善しました。教会の支えと兄弟姉妹の慰めにより、孤独ではなくなり、苦難の中でも平安を見出すことができました。
ビジネスでも連続赤字や借金の危機を経験しましたが、夫婦で祈り、神の導きを求め、最終的に事業は回復し、生活も安定しました。息子はカナダで学び、娘も成長し、教会で詩篇を朗読するまでになりました。
過去を振り返り、ミハエルさんは「無力なほど、委ねる」ことの大切さを実感しています。未来は不確かですが、信仰によって神に委ねることで、困難の中でも平安と喜びを保つことができます。人生の中心は自分ではなく、神と教会にあり、謙遜と温和をもって他者に関わり、信仰によって希望を見出しています。ミハエルさんの物語は、絶望の中で信仰が希望をもたらし、家族が手放し、委ねることを学び、愛なる神が必ず導いてくれることを証ししています。

 
	 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			