生き抜く

趙玉嬌の証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

趙玉嬌(チョウ・ギョクキョウ)さんは、香港西貢の農村で生まれ、幼い頃に父を亡くし、母と兄に育てられました。15歳で家族の勧めによりイギリスへ嫁ぎ、異国での生活が始まりました。言葉も通じず、孤独な日々の中、夫からの冷たい態度や家庭内暴力、姑との確執に苦しみました。1965年に長女を出産しましたが、不運にも生後50日で亡くなり、趙さんは深い絶望に陥り、自殺未遂まで経験しました。

喪女や家庭内暴力、孤独の中で、趙さんは何度も「イエス様、私を連れて行ってください」と祈りましたが、神は彼女を生かし続け、困難の中で成長することを学ばせました。回復後は懸命に働き、三人の子どもを授かりましたが、家庭の問題は続き、1972年に離婚。子どもたちは元夫に引き取られ、趙さんは姉のレストランで働きながら再婚しました。しかし再婚後も経済的困難や夫婦間の衝突が絶えず、1987年に再び離婚。長年の病気にも苦しみましたが、決して人生を諦めませんでした。

引退後は家庭菜園を楽しみ、収穫を友人と分かち合い、地域や教会活動にも積極的に参加しています。幼い頃から教会に通っていましたが、イギリス移住後は言葉の壁で信仰から離れていました。1997年、友人の紹介で中国人クリスチャンの集まりに参加し、再びイエスを知りました。教会での温かい交わりや聖書の教えにより、人生の指針を見出しました。2005年にはキリスト教番組に感動し、心が解放され、過去の傷を愛と寛容で受け止めることができるようになりました。

趙さんは聖書勉強会で自身の体験を分かち合い、困難に直面する人々を励ましています。神が苦難を与えるのは、学びと成長のためだと信じています。聖餐のたびに涙を流し、イエスの苦しみを思い、自分も強く生き抜くことを決意しています。何度も命を絶とうとしましたが、神はそのたびに支え、彼女に使命があることを示しました。

2021年のパンデミック時には、古傷の悪化で入院し、適切な治療を受けることができました。すべては神の恵みと導きだと確信しています。過去を振り返り、信仰がなければ人生の谷を越えられなかったと語ります。今では前向きに生き、自身の経験を通して「人生は不確かだが、イエス・キリストの愛があれば、積極的で素晴らしい人生を送ることができる」と多くの人を励ましています。

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