翟文鳳の信仰証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
翟文鳳さんは幼い頃から重度の血管腫瘍を患い、右脚全体が腫瘍に覆われていました。医師からは20歳まで生きられないと言われ、極貧の家庭で11人兄弟姉妹と共に育ちました。母親は5歳の時に亡くなり、父親は家族を養うために働き詰めで、文鳳さんは主に兄姉に世話されていました。
幼少期は長期入院を余儀なくされ、行動も不自由で、学校でも治療のため欠席が多く、同級生から疎外やいじめを受けました。階段から突き落とされたり、歩くのが遅いと嘲笑されたりし、内向的で自分を閉ざすようになり、世界が暗く感じていました。
社会に出てからも、最初は極度に内気で自信がなく、電話応対や同僚とのやりとりにも苦労しました。しかし、姉に導かれて教会に通うようになり、初めて愛と安心感を得ました。信仰によって自信を持ち、人前で堂々と話せるようになりました。
事故で賠償金を得た時も、病院で「神様、こんなにお金をもらってどうすればいいの?」と涙し、健康だけを願いました。手術前は恐怖に襲われましたが、祈りの中で神の臨在と平安を経験し、「たとえ死の陰の谷を歩むとも、災いを恐れない。あなたが共におられるから」という聖書の言葉を実感しました。
信仰を持ってからは人生が大きく変わり、ランニングや自転車、ボルダリングなど様々なスポーツに挑戦。自転車の練習では何度も転びましたが、「転んだらまた立ち上がる」と信じ、ボランティアやコーチが天使のように支えてくれ、神の力を感じました。片足でも自転車の自由とスピードを楽しめるようになりました。
病状は悪化し、腫瘍は脾臓や腰骨、頭蓋底、肝臓にも広がり、脾臓の摘出手術も受けましたが、決して諦めませんでした。「香港截肢者協会」を設立し、同じ境遇の人々を訪問し励ましています。絶望して自殺を考えていた人にも寄り添い、祈り、教会に招き、神の癒しと愛を共に体験しました。
文鳳さんは、神が一人ひとりをユニークに創造されたと信じ、身体に障害があっても命には価値があると確信しています。明日のことを心配せず、今日を大切にし、周囲の人々と経験や信仰を分かち合うことに力を注いでいます。自身の物語が多くの人を励まし、神の愛と変化を体験してほしいと願っています。
