十人の結婚式

illumination

田国英の証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

田国英(チェリー・アン)さんはベネズエラで生まれ、3歳の時に両親が離婚し、母と弟と共に香港へ移住しました。祖母の家で育ち、男尊女卑や愛情の欠如を経験し、しばしば叱られ、自信を失い孤独を感じていました。高校時代には家を出て働く決意をし、社工の助けで一時的に家を離れました。その後、同級生の家族に受け入れられ、初めて家庭の温かさを感じました。

このキリスト教家庭は住まいだけでなく、教会にも連れて行ってくれ、愛と価値を再認識するきっかけとなりました。教会で自信を築き、感情を表現することを学び、洗礼前夜には神からの平安と愛を強く感じました。高校卒業後は教育学院に進学し、幼児教育に従事。数年後、ニュージーランドでワーキングホリデーを決意しましたが、母との連絡が途絶え、パスポート申請に苦労しました。叔父、叔母、祖母の協力で必要書類を入手し、新たな生活を始めました。

ニュージーランドでは教会の牧師や姉妹に世話を受け、家族の愛を感じました。叔父叔母はわざわざニュージーランドまで来て一緒に旅行し、家族の愛が双方向であることを体験しました。異国で温かい家庭を築き、友人の勧めで幼児教育を学ぶことを決意。学費の問題も叔母や教会の姉妹が支援してくれ、神の導きを実感しました。

英語力向上の過程で現在の夫Kinと出会い、補習を通じて深い絆を築きました。Kinはもともと教会から離れていましたが、国英の証しによって再び神を知るようになりました。価値観や信仰が一致し、共に人生を歩むことを決意。2020年8月、コロナ禍でニュージーランドが封鎖される直前、急遽結婚式を挙げることになり、48時間で準備し、出席者はわずか10人でしたが、全員が人生で最も大切な人々でした。

結婚式はシンプルながら神の恵みと人情に満ちていました。教会の牧師、師母、友人が協力し、飾り付けや祈り、演奏、撮影を担当し、国英は家庭の温かさと支えを感じました。Kinはうつ病を患っていましたが、国英はパンデミック下で彼を支え、互いに愛と支えを学びました。神が人生の様々な場面で支えと祝福を与えてくれたことに感謝し、家庭の本質を学びました。

母との関係も信仰によって改善し、母は洗礼を受けて性格が変わり、コミュニケーションが円滑になりました。国英は神の力を証しし、信仰によって人生が新しくなり、自然に愛と受容を表現できるようになったと語ります。信仰がなければ人生は暗く、他人の愛や祝福を受け入れることが難しかったでしょう。

国英はわずか10人の結婚式を経験しましたが、そこには神の恵みと人々の情が溢れていました。愛に飢え、漂流していた彼女が、今では輝く笑顔を見せ、困難の中で神が豊かさと喜びへと導いてくれたことを証ししています。

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