祢の教え、私の教育

鄧景康の証し

『恩雨の声 香港版』より抜粋

鄧景康(トン・ケイコウ)氏は、香港で教師、副校長、ギフテッド教育学院のディレクターなどを歴任した経験豊富な教育者です。順調なキャリアを築いていた彼ですが、妻がカナダ移住を希望したことで人生の大きな選択を迫られました。香港での安定した生活や息子の教育環境を手放すことに葛藤しつつも、最終的に妻と息子を先にカナダへ送り出し、自身は神の導きを求めて香港に残る決断をしました。

家族と離れて過ごす日々は孤独と無力感に満ちていましたが、毎日のビデオ通話や祈りを通して家族の絆を保ちました。妻はカナダで多くの困難に直面しながらも、信仰によって支えられ、義母も現地でキリストを信じるようになりました。息子も最初は新しい環境に馴染めず不満を漏らしていましたが、父の励ましと神の導きによって徐々に適応し、学校のイベントで主役を務めるまでに成長しました。

最終的に鄧氏は信仰に基づき香港の仕事を辞め、家族と共にカナダへ移住。現地での生活は決して楽ではありませんでしたが、神は常に必要な人や機会を備えてくださいました。複数の友人の紹介で青年団体に参加し、その後キリスト教学校の管理職に就任。さらに神の導きで自らキリスト教私立高校の設立に取り組むことになりました。

学校設立の過程は困難の連続でしたが、神の奇跡的な導きで必要な教師や生徒、施設が次々と与えられました。鄧氏の教育理念は「HOPE」に集約されます。Honoring(生徒と神への敬意)、On Target(目標設定)、Peer Mentorship(ピアメンター制度)、Experiential Learning(体験型学習)です。教師はキリストの愛をもって専門的に指導し、生徒が信仰と人生の希望を見出せるよう支援しています。

鄧氏が生命教育を重視するのは、自身もまた神による癒しと変革を経験したからです。両親の離婚で幼少期は内向的で自信がなく、バスで降車を告げることすらできませんでした。しかし、信仰を持ってからは神の愛によって性格が変わり、今では他者の人生に影響を与える教師となりました。彼は、教育の本質はキリストの愛と使命を次世代に伝えることだと確信しています。

関連投稿

  • URLをコピーしました!
目次