章志文の信仰証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
章志文さんは香港のカトリック学校で育ち、幼い頃から聖書や信仰に触れていましたが、信仰への理解は儀式や好奇心にとどまっていました。若い頃にカナダへ留学し、クリスチャンの友人たちと出会い、教会活動や団契に参加するようになり、徐々に信仰への興味が深まりました。大学時代、団契の集まりで「進化論」というテーマを引き当て、仲間と人類の起源について議論したことがきっかけで、人生の意味や罪の本質について考えるようになりました。自分は悪人ではないものの、心の中に罪悪感や自責の念があり、特に恋愛や家族関係で周囲に申し訳ない気持ちを抱えていました。
ある夜、突然誰かがドアを叩く音を聞き、友人は「誰もいない」と言いました。彼は恐怖を感じ、「もしかしたらイエス様が心の扉を叩いているのかもしれない」と思いました。その瞬間、涙が溢れ、教会の牧師に会いたいと強く願いました。翌日、牧師の導きでイエスを信じる決心をし、積極的に教会生活に参加し、福音伝道や奉仕に励みました。下令キャンプでは主への献身を誓いましたが、卒業後はカナダのテレビ局やラジオ局で忙しく働き、次第に信仰から遠ざかり、クリスチャンとしてのアイデンティティを忘れてしまいました。
1999年に香港へ戻り、地元のテレビ局で働き始めました。夢はあったものの、現実の競争は激しく、プレッシャーも大きく、家庭でも困難に直面しました。特に2009年に失業し、経済的に苦しくなった時、妻が妊娠していたため、家庭の重圧はさらに増しました。彼は酒に頼るようになり、最初は時々赤ワインを飲む程度でしたが、次第に酒量が増え、朝起きてすぐに飲みたくなるほどアルコール依存に陥りました。妻は何度も禁酒を勧めましたが、彼は気にせず、自分は優雅に飲んでいるだけだと思っていました。酒の影響で家族との関係が悪化し、妻は結婚に失望し、息子を育てる責任だけが残りました。
アルコール依存が最も深刻だった時、家の洗面所の鏡に三度も手形が現れるという奇妙な現象が起こり、家族は不安を感じました。彼は助けを求め始め、神が信仰の種を心に植えてくれていたことに感謝しました。ある日、友人宅で伝道者と話し、祈りと聖書の学びを通して「イエス様がそばにいて守ってくださっているから、恐れる必要はない」と励まされました。この経験を通じて、自分の人生を改めて考え、神の恵みと赦しを深く理解しました。
章志文さんは悔い改めて罪を告白した後、家が闇から光へと変わり、手形も現れなくなりました。神がすでに彼を赦し、家族を守ってくださったことを確信しました。妻と息子を連れて教会に戻り、再び教会生活に積極的に参加し、奉仕を通して謙遜と献身を学びました。神との関係は蜜月期のように親密で、祈るたびに神の応答と愛を感じています。
彼は「人生の実りは心から生まれる。主イエスとの最も親密な関係を守り、一生主を愛し、二度と主から離れない」と強く信じています。自分の人生が多くの人への証しとなり、真の変化を生きて見せたいと願い、困難の中で神の助けと恵みを求めるよう励ましています。
