張宝華牧師の信仰証し
『恩雨の声 香港版』より抜粋
張宝華牧師は、幼い頃から音楽と信仰に満ちた家庭で育ちました。祖母は「イエスはあなたを愛している」という牧師の言葉を聞いて主を信じ、その後家族全員が主に帰依し、父親は神学校の副院長となりました。張牧師は教会や神学校、孤児院などで生活し、父親と共に様々な奉仕活動に参加し、音楽は彼の人生に欠かせない存在となりました。
幼少期、張牧師は父親と共にアメリカ各地を巡り、孤児院やハンセン病院、個人病院などで奉仕しました。父親が音楽と愛をもって弱者を支え、各地で教会を設立する姿を目の当たりにし、火車の車両で歌い、物語を聞く経験が彼に深い影響を与えました。音楽は表現だけでなく、祝福と奉仕の道具であることを理解しました。
香港に来てからは、張牧師は勉強しながら広東語を学び、地元教会や神学校で事業を指導しました。青少年事業に積極的に参加し、無料の小学校・中学校教育を推進し、社会の基層のニーズに関心を持ちました。1958年に神学校を卒業後、アメリカで音楽を学び、2年後に父親が刑務所で亡くなり、深い悲しみに包まれました。張牧師は悲しみの中で父親の遺志を継ぎ、音楽で福音を伝える決意をしました。
アメリカでは、張牧師は独唱や合唱など様々な集会や伝道活動に参加し、「中国歌唱大使」と称されました。個人アルバムを出版し、香港の中学校の資金調達に収益を寄付し、音楽は人と人を結び、信仰を証しする架け橋となりました。
張牧師の奉仕は、アメリカ、カナダ、香港、東南アジアなどに広がっています。タイ、マレーシア、インドネシア、カンボジアなどで教会や学校、宿舎を設立し、特に貧困児童や大学生の霊的成長に力を注いでいます。1999年にはカンボジアの首都で大学生センターを設立し、地方から来た若者に宿泊と霊的訓練を提供し、将来の国のリーダーや良き市民となるよう支援しています。
カンボジアでは、戦争による傷と貧困を目の当たりにし、多くの子どもが地雷で障害を負い、家庭が崩壊しています。張牧師は音楽と愛で現地の人々を支え、詩歌や証し、教育を通して福音と希望を届けています。キリスト者の奉仕は全人的な福音であり、魂だけでなく人々の人生と社会の再建も助けるべきだと信じています。
張牧師は奉仕の中で、暗闇や迷い、困難を経験しましたが、挑戦に直面するたびに主に近づき、主によって憂いを取り除いてきました。『マタイによる福音書』や詩歌『天の父は雀を見守る』を引用し、神はすべての人を見守り、困難の中でも落胆する必要はないと自分と信徒に語りかけています。
「私は歌い続けたい」は、張牧師の音楽の夢であるだけでなく、彼の生涯の信仰宣言です。どこにいても、どんな困難に直面しても、音楽と愛で神と人に奉仕し、神の恵みと誠実さを証しし続けています。主と共に歩むことで、人生は希望と喜びに満ち、奉仕の道は決して途絶えません。
